ソーシャルメディアを活用して企業をPRした時に心配なるのが炎上ですよね。これはどの媒体であっても火が付くと、Twitterなどの拡散力を持つ媒体で大炎上するので媒体に関係なく注意しないといけません。

そしてこの炎上というのはその企業のブランド価値に直接的に影響します。株式会社だと株価にも直接的に影響します。

例えば、SpaceXやTesla代表のイーロンマスクさん。彼は何度もTwitterでの発言が炎上し、株価が暴落しています。そして株主に怒られTwitter禁止令が出ました。そんなことがあるんですねと思いますが、実際にあったんです。日本だとZOZO元社長の前澤さんがよく炎上していました。

「株式を非公開化する」というツイートが発端となって、株価の乱高下を引き起こし、多くの投資家に損害を与えてしまったからだ。また、その騒動が司法の介入を招き、株主からの訴訟をも抱えることになったのである。

経営においてすばらしい実績を残した彼らが、なぜ“たかがつぶやき”であるはずのツイートにおいてつまづいてしまうのか?そこには強い上昇志向、自己顕示欲、競争心、自負心などを持つ彼らだからこそ陥りやすい6つの心理状態があるからだ。

イーロン・マスクはなぜツイッターで失敗したのか。6つの心理状態から6つの禁句をつぶやいてしまう|BUSINESS INSIDER JAPAN

SNSが普及した今の社会は信用経済と言われ、企業評価がとても大事な時代になっています。今では、ソーシャルメディアポリシー・ガイドラインを策定している企業も増えています。ソーシャルメディアポリシー・ガイドラインとは、企業がソーシャルメディアを使用するにあたり、使用目的やルールを定めたものです。社内だけでなく社外的に公開している企業も増えてきています。

今回は企業でソーシャルメディアを運用する際の簡単なガイドラインと個人の発信の注意点を紹介したいと思います。

ソーシャルメディアで気をつけるべき!ガイドライン

1.アカウントの目的を明確に決めておく

まずは誰の何のためのアカウントなのかを明確に決めておきましょう。企業アカウントだと、その企業の取り組みやコンテンツ、思想などを発信するアカウントになると思います。まずはそこを明確にして、目的に関係ないことは極力発信しないようにしましょう。目的に関係のない発信は、成果の出ないただのリスクになってしまします。そこを認識したうえで必要なものだけを発信することを心がけましょう。

2.インターネットの影響力を理解する

次に必要なのがインターネットの理解です。インターネット上の情報は全世界の誰もが見ることができます。特によくインフルエンサーなどは、フォロワーの数を意識して発信するという事です。例えばフォロワーが数十人だと会議室、1000人ぐらいだと少し大きめのホール、1万人になると屋外のイベント、5万人だと東京ドームぐらいで発言していることになります。

影響力をイメージしましょう!自分の発言の影響力は?

  • フォロワーが数十人だと会議室
  • 1000人ぐらいだと少し大きめのホール
  • 1万人になると屋外のイベント
  • 5万人だと東京ドームぐらい

フォロワー数はただの数字なので感覚が麻痺してしまいがちですが、その先にどれだけの人がいて、この発言はどこで話しているのと同じことなのかをイメージしておくことが大切です。

3.投稿や発信する前に一度立ち止まる

発信する内容が決まり、誰に届くものなのかを考えたら、いよいよSNS上にポストするだけだと思いますよね。

これはオススメですが、企業アカウントの場合はその前に一度立ち止まって社内の他の人に最終確認をしてもらいましょう。

インターネット上の情報は文章や動画に関わらず、すべて二次情報になります。

  • 一次情報とは、自分が実際に目で見て、体験した情報のことである。
  • 二次情報とは、自分がある人から聞いた情報である。
  • 三次情報とは、情報元が誰かわからない情報である。

二次情報は一次情報よりもさらに受け取り方が多様になります。誰かにとっては普通のことでも、他の誰かにとっては気持ちの良くない内容の可能性もあります。なので自分一人で内容の良し悪しを判断するのではなく、他の人にも確認してもらう事をお勧めします。インターネット上に一度アップしたものは削除しても、どこかには残って永遠に消えなくなります。ある程度は、慎重になることに越したことはありません。

また、チェック工程でブラッシュアップする事で、どのようなものも洗練されて良い文章になっていくでしょう。

4.個人の投稿や発信にも注意

ここまで企業アカウントについて話してきましたが、個人のアカウントでも、社名を公表している人も同じことに気を付ける必要があります。個人の意見として発信していても、すべては受け手の受け取り方で決まります。

数年前にはバカッターといってアルバイトの人が店でイタズラ動画を撮り、SNSにアップして大炎上した事件がありました。その時、被害を受けた企業は商品だけでなく、ブランド価値を大きく傷つけることになりました。

個人の見解ではありませんの一文の効力は?

個人の発信にも企業の名前がどこかに入っているのであれば気を付ける必要があります。最近だとプロフィール欄に「投稿内容は個人の見解で所属組織とは関係ありません。」という一文が入っている人がいます。この一文をつけるかどうかも賛否があるところでしょう。本人として安心できる公に個人の発言だと前置きしたい場合はしておくといいでしょう。

しかし、こういった一文を入れようが入れまいが、結局は相手の受け取り方次第というところになります。

個人アカウントのポジションを考えよう

また、重要な事は個人アカウントのポジションを本人がどう考えているかです。

そのアカウントを

  • 転職しても使い続けるのか
  • 在職中の会社の広報やPRを個人的に行うために使っているのか

によっても大分スタンスが変わってくる事でしょう。

転職しても使い続けるのであれば、個人として目的を決めて発言すべきです。現在、在籍している会社のための個人アカウントであれば、ある程度のレギュレーションは企業寄りになっていくでしょう。

個人アカウントでも下記をチェックしよう

□必要のない内容の発信はしない
□誰もが見れることを意識する
□使用するファイルや画像はアップしてもOKなのか確認する
□個人の発言でも企業に悪影響が与えないか気をつける
□仕事で関わる人に不快を与えないか考える

5.個人情報や著作権を守る

最後に細かなことですが、実際の内容について以下のこのようなことにも気をつけましょう。

  • 個人情報保護法とプライバシーの権利
  • 機密事項や知的財産権の保護
  • 著作権違反の回避
  • 商標権違反の回避
  • 誹謗中傷の保護
  • 避難を受ける可能性のある技術利用の制御
  • 傾聴の態度

誹謗中傷などはあたりまえだと思いますが、よくあるのが画像の転用です。企業アカウントとなると、使用する画像は自社で撮影したもの、許可を得ているもの、あるいはフリー素材を利用するようにしましょう。

ソーシャルメディアのガイドラインを策定しよう

ソーシャルメディアは今の時代、会社の売り上げに大きく影響する道具である一方で、大きな問題を引き起こすリスクでもあります。インターネットで誰と繋がっているのかという理解と正しい使い方を心がけて利用しましょう。

正しい運用をして価値のあるものを作ることで、確実に会社にとってプラスになるものになります。ソーシャルメディアを利用するにあたり、企業アカウントでも個人アカウントでも問題が起きないようなガイドラインを記載し、もし問題が発生してしまった場合は迅速に対応できるような対応手順の記載があると良いでしょう。